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中東観察

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2009/07/03
12:12
フセイン元大統領:「米国よりイランの方が脅威だった」

【ワシントン小松健一】「米国よりもイランの方が脅威だった」--。06年に死刑を執行されたイラクのフセイン元大統領が米連邦捜査局(FBI)捜 査官の尋問に対して、大量破壊兵器を保有していなかったにもかかわらず、国連査察を拒んだのは「イランに(イラクの軍事面の)弱さを見せたくなかったため だ」と証言していたことが1日、明らかになった。米シンクタンク「国家安全保障公文書館」が情報自由法に基づき尋問記録などを入手し、同日公表した。

 公表された記録は04年2~3月の間に行われた20回の尋問と捜査官との5回の会話。

 記録によると、フセイン元大統領はイランを「最大の脅威」と指摘し、イスラム教シーア派住民の多いイラク南部をイランが併合するのではないかと懸念していた。

 国連査察拒否は03年のイラク戦争を招いたが、フセイン元大統領は査察によって大量破壊兵器を保有していないことが明白になれば、イランがつけ込むと判断。「米軍の攻撃よりもイランの脅威の方が大きかった」と語った。

 また国際テロ組織「アルカイダ」を率いるウサマ・ビンラディン容疑者について、「過激主義者」と非難。米政府がイラク戦争前に主張していた「イラクとアルカイダとの協力関係」を否定した。

 またフセイン元大統領は「敵に居所を察知されないため」、90年以降は電話を2回しか使わず、2日続けて同じ場所で就寝することも避けていたことを証言。一方で、暗殺を恐れて「影武者」がいたのではないかとの憶測は「事実ではない」と一笑に付した。

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