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中東観察

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2009/06/26
14:02
米が駐シリア大使を復活 イランの影響力低下を狙う

6月25日19時10分配信 産経新聞

 【ワシントン=有元隆志】ケリー米国務省報道官は24日の記者会見で、駐シリア大使を復帰させると発表した。米政府は2005年、ハリリ元レバノン首相 暗殺事件をめぐって、事件への関与を疑われたシリアとの関係が悪化したため、大使を召還した。今回の大使復帰は中東和平推進に加え、イランとの同盟関係に あるシリアとの関係改善を図ることで両国間にくさびを打ち込み、イランの中東での影響力の低下を図るねらいもあるとみられる。

ケリー報道官は「(中東)地域におけるシリアの役割には懸念を持っているが、大使を復帰させるのも懸念事項に取り組む一つの方法だ」と説明した。シリア側には23日に決定を伝えた。

オバマ政権は大使復帰に先立って、ミッチェル中東特使、フェルトマン国務次官補代行(中東担当)をダマスカスに派遣するなど、徐々にシリアとの対話の機会を増やしてきた。

オバマ政権としてはシリアとの対話により、中断しているイスラエルとシリアの和平交渉を側面支援したいとの思惑もあるようだ。シリアは昨年末のイスラエ ル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区侵攻を受け、それまでトルコを仲介に間接的に行ってきたイスラエルとの和平交渉を凍結した。

選挙戦で敵対国家との対話を掲げたオバマ大統領にとって、シリアは「テロ支援国家」に指定したままではあるが、核開発問題などを抱えるイランよりも、対話を深めるには障害の少ない相手ではある。

ただ、ブレア国家情報長官は3月に議会に提出した報告書で、「シリアとイランの軍事協力は(レバノンに拠点を置く親シリアのイスラム教シーア派組織)ヒ ズボラとの3者協力を含め、過去1年間増えている」と指摘、シリアとイランの軍事協力強化に懸念を示した。関係改善への道のりはなお険しいようだ。
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