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中東観察

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2009/07/02
11:26
7月2日付・殉教者

 イラン大統領選では、女性の活発な姿が印象的だった。改革派候補ムサビ元首相の妻ザハラ・ラフナバルドさんは、保守的なイランでは初めて選挙戦の前面に立った。画家で元女子大学長でもあり、女性支持者集会で女性差別解消を訴えた。

選挙後は一転、不正疑惑の抗議デモにも多くの女性が参加した。テヘラン市内でデモ隊と治安当局の衝突に巻き込まれ、銃撃を受けて死亡した女性もいた。その女性は市民の間で殉教者として「抵抗の象徴」になった。

ジーンズ姿の27歳のネダ・アガソルタンさんが銃撃された場面は動画投稿サイトに投稿され、米CNNなどが放映。オバマ米大統領も「痛ましい」と述べた。 英紙によると、ネダさんは交通渋滞でタクシーから降り、携帯電話をかけているところを撃たれた。革命防衛隊傘下の民兵組織バシジの犯行との見方もある。

イランが国教とするイスラム教シーア派は、殉教精神が他派より一層強いといわれる。イスラム教徒は、非戦闘員である弱者の子ども、女性が戦争などに巻き込まれて殺害されることに、激しい怒りを示すという(内藤正典「イスラムの怒り」集英社)。

最高指導者は早々と保守強硬派大統領の再選を支持し、抗議デモを非難した。だが、ネダさんの「殉教」は、どちらに正義があるかを指し示す「象徴」となった。

イスラムの伝承は「不正義の支配者に放たれる正義のひと言は、百年の祈りにも勝る」と説く。30年続く革命体制にほころびが生じるかもしれない。
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