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中東観察

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2009/07/10
11:35
アフガン:情勢、泥沼化 今年最大級爆弾テロ、首都近郊で25人死亡 米政策に失望感

【ニューデリー栗田慎一】アフガニスタンの首都カブール近郊で9日、路上のトラックが爆発し、通学中の児童ら少なくとも25人が死亡した。治安当局 は今年最大規模の爆弾テロとみて調べている。駐留米軍などは武装勢力タリバンへの大規模な掃討作戦を展開しているが、治安の悪化に歯止めはかからず、地元 住民はオバマ米政権のアフガン安定化策に失望感を抱き始めている。

 アフガン内務省によると、カブールから南へ約35キロ離れたロガール州内で9日朝、路上に止められていたトラックを警官らが動かそうとしたところ、突然大爆発した。車内は無人で、遠隔操作で爆破されたとみられる。犯行声明は出ていない。

 また、南部カンダハル州でも9日、欧米主導の国際治安支援部隊(ISAF)の兵士2人が路上の爆弾で死亡した。オバマ政権は先月末までにイラク駐留米軍の戦闘部隊を都市部から撤退させ、対テロ作戦の軸足をアフガンへ移しつつある。

 タリバンへの最大規模の掃討作戦を開始したアフガン駐留米軍などに対し、タリバン側も自爆攻撃や仕掛け爆弾の多用で激しく抵抗。多数の市民が巻き添えになっているほか、駐留軍側にも連日のように犠牲者が出ている。

 米国は11年末のイラク完全撤退と並行してアフガンへの増派を完了する考えだが、アフガン市民からは武力強化策に「ブッシュ(前米)政権と何が違 うのだ」との声が広がっている。カブールの地元記者は「市民はオバマ大統領に過大な期待を抱いたために、早くも絶望しかけている」と語る。アフガン国防省 高官は「パキスタンの武装勢力がタリバンを支援していると考え、こうした武装勢力を(越境)攻撃すればタリバンも弱体化すると考えたが、予想通りには進ん でいない」と指摘している。

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