2024/11/24 20:33 |
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2009/07/18 16:26 |
【プラントの肖像】住友化学 海外進出で先鞭 中東に一大拠点 |
サウジアラムコとの合弁で建設したサウジアラビアにある「ラービグ」。17平方キロメートルの大規模プラント
一方、海外展開については、同業他社よりも早く、84年にシンガポールにコンビナートを形成。日本の化学メーカーの海外進出の先鞭(せんべん)をつけたといわれる。現在は、自動車バンパーに使われる高品質樹脂などを生産し、中国をはじめとするアジア地域に供給している。
なかでも、「当社始まって以来の非常に大きな存在になる」(米倉弘昌会長)と期待をかけるのが今年3月末に稼働を開始した、中東の石油化学コンビナート「ペトロラービグ」。
当初予想の2倍に膨れあがった総額1兆円を、サウジアラビアの国営企業「サウジ・アラムコ」などと合弁で投じた。エチレン生産だけでも、1プラ ントで日本の総生産量の約2割をまかなう。生産量は年130万トンと世界最大級。中東のカントリーリスクを指摘する向きもあるが、スケールメリットに加 え、ナフサでなく、安いエタンガスを原料に、汎用樹脂を生産するため、コストメリットが高い。この稼働が始まったことで、「世界3極体制」が構築された。 国内依存からの脱却で、生き残りを目指す計画だ。
住友化学の千葉工場。年38万トンのエチレンを製造している=千葉県市原市 |
CSR(企業の社会的責任)活動においては、防虫剤を練り込んだ蚊帳「オリセットネット」が有名だ。需要国のアフリカで現地生産し、雇用も確保。米国のTIME誌において「世界一クールな技術」と絶賛された。
同社は現在、100を超えるグループ会社とともに、基礎化学、石油化学、精密化学、情報電子化学、農業化学、医薬品の6つの事業分野にわたり、幅広い製品をグローバルに提供している。
2009/07/14 09:42 |
欧州4カ国とトルコ:ガス輸送管で合意、ロシアへの依存低下目指す |
7月13日(ブルームバーグ):トルコとブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オースリアの5カ国は13日、ガスパイプラインのプロジェクト「ナブッコ」を推進することで合意した。同プロジェクトはロシア産天然ガスへの欧州の依存低下を目指すもので、総額79 億ユーロ(約1兆170億円)規模。
米国も支援する同プロジェクトは少なくとも2004年から計画されていたが、顧客や通過各国、ガス供給源などの確約が得られず遅れていた。
トルコのエルドアン首相はアンカラでの調印式で、「ナブッコ・プロジェクトは夢のような構想だとも言われているが、実際には成功物語となり、疑問視していた人々が間違っていたことが証明されるだろう」と意気込みを示した。
欧州へのガス供給は過去3年に2回、ロシアによる供給停止によて滞った。欧州はこのプロジェクトでロシアへの依存低下を目指す。カスピ海周辺で産出された最大310億立方メートルの天然ガスをトルコ経由でオーストリアに送る同プロジェクトは2014年の輸送開始を目指すが、ガス供給源確保でまだ競争にさらされている。
エルドアン首相は、同「プロジェクトを支援する」さらなる合意が半年以内に署名されるだろうと語った。欧州連合(EU)の欧州委員会のバローゾ委員長は、プロジェクトに関与するパートナーらは、年末までに「容量契約」を結ぶことを目指すと語った。
合意を仲介したEUによれば、天然ガスはグルジア、イラン、イラク、シリア4カ国のうち3カ国からトルコに運ばれる。ナブッコは今までにアゼルバイジャンやイラク、トルクメニスタンなどのカスピ海沿岸諸国と天然ガス供給で交渉している。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:ロンドン 藤森英明 Hideharu Fujimori hfujimori@bloomberg.net Editor: Akiyo Kinoshita 記事に関する記者への問い合わせ先: Rob Verdonck in London at rverdonck@bloomberg.net Steve Bryant in Ankara at sbryant5@bloomberg.net .