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2009/07/07 14:12 |
【日々是世界 国際情勢分析】イラク誘拐報道が物語る米軍撤退後の懸念 |
イラクの首都バグダッド近 郊の町で、身代金目当ての複数の誘拐事件が発生した。地元住民らは、事件にイラク陸軍の大佐が関与したと非難していると、地元テレビ局は伝えた。報道が伝 えられたのは、町の治安維持権限が駐留米軍からイラク軍に移譲された時期と、ほぼ同じだった。報道は、米軍の都市部撤退後の治安情勢に対する住民の不安を 物語っている。
テレビ局の報道を紹介したのは、6月29日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版。町が抱える懸念は、誘拐事件だけではない。この局は、住民の家に赤い「X」マークがスプレーで塗りつけられていたと報じた。住民は、このマークがイスラム教スンニ派の家族の家にだけ付けられていたと信じていて「恐らく私たちは、何かの標的にされている」とおびえた調子で語った。
駐留米軍は6月28日、イラクの都市部から去った。米・イラク地位協定に基づいて、2011年末までに、全土から完全撤退する。誘拐事件やマーク騒動の真偽はともかく、スンニ派住民の不安の背景にあるのは、米軍の監視がなくなった後のシーア派主導イラク政府に対する“恐怖”だ。
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