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中東観察

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2009/06/29
13:21
イラン:EUが外相会議 拘束の英大使館員の解放を要求

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は28日、ギリシャ・コルフ島でイラン情勢を協議する外相会議を急きょ開き、イラン当局が拘束した在テヘラン英国大使館のスタッフ全員の即時解放を要求した。

 議長国チェコ政府は会議後の声明で、「EU加盟国の大使館で働く外国人、イラン人スタッフにいやがらせや脅しをかければ、EUとして断固たる対応を取る」と警告した。

 スウェーデンのビルト外相によると、外相会議では具体的な対イラン制裁の協議には入らなかった。ビルト外相は「日々の動きを分析しなければならない」と述べ、イラン情勢の推移を注視する必要性を強調した。

 イラン革命防衛隊系のファルス通信は28日、英国大使館の現地スタッフ8人が拘束されたと報じた。拘束は9人でうち4人が釈放されたとの情報もある。

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2009/06/29
13:19
英大使館員8人拘束 イラン 地元職員 当局『混乱を助長』

 【カイロ=内田康】イラン大統領選をめぐる混乱で、イラン治安当局は、混乱に介入した容疑で在テヘラン英国大使館のイラン人職員八人を拘束した。 イランのファルス通信が二十八日、伝えた。イランと英国との緊張がさらに高まることは必至。英国が関与してきた核開発交渉へも影響を与えるとみられる。

 ロイター通信はミリバンド英外相の話として、一部は釈放されたと報じた。

 同通信は「八人は最近の社会不安をあおることに積極的に関与した」と伝えた。最高指導者ハメネイ師は同日、「イラン国民が一致団結すれば、われわれの不幸を願う他国の誘惑や干渉は無力になる」と訴えた。

 ロイター通信によると、ミリバンド英外相は滞在先のギリシャで「まったく受け入れられない嫌がらせ、脅迫のたぐいだ。無事に解放されることを望む」と批判した。

 大統領選の不正を訴えるムサビ元首相支持者と治安部隊の衝突について、イランは「英国などが干渉した結果」と非難してきた。モッタキ外相も、英国との外交関係縮小の検討を示唆している。

 イラン当局が海外出国を禁じたムサビ氏側近は英国留学経験者。大統領選では、欧米諸国との緊張緩和を望む都市部住民が、ムサビ氏を支持する傾向が強かった。

 しかし英国にはイランの石油資源を支配した過去もあって保守層には反発も根強いことから、イラン政府の今回の英国批判も地方住民らには受け入れられている可能性がある。

2009/06/29
13:16
◇気晴らしは戦闘ゲーム

 「子供たちは元気かい」。夕刻、サラーノ基地にある電話・インターネットセンターを訪れると、母国に電話する米兵士らであふれ返っていた。その奥のゲームセンターで、米兵が黙々とビデオゲームに没頭している。「一番人気は戦闘モノだね」と米兵が言う。

 ベトナム戦争時代は基地内で飲酒できたが、ブッシュ前政権が01年に始めた「対テロ戦争」では、飲酒の全面禁止が徹底されている。前線の兵士は早 朝に基地を出て、徹夜の作戦活動も少なくない。常に武装勢力の仕掛ける手製爆弾(IED=即席爆破装置)を警戒するため、毎日が緊張の連続だ。

 兵士の好む気分転換はジムでの運動や映画観賞、ゲームなど。基地内には米国のピザ屋も走り回る。しかし、遠隔地の基地では業者がいないため、食堂 での調理も兵士が担当する。イラク戦争の経験もある軍曹(25)は「ここでの生活は毎日が死と隣り合わせだ。うまく気分転換しなければ、正気でいられなく なるよ」と笑った。

2009/06/29
13:15
アフガン:憎悪の海の浮島--米軍基地 狙われる地元住民、隣に漂う死

 <世の中ナビ ワイド NEWS NAVIGATOR 国際>

 アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンと戦う米軍の前線基地を軍同行(エンベッド)取材で訪れた。同国南東部ホースト州のサラーノ米軍前線基地 は「ロケットシティー」の異名で呼ばれ、武装勢力のロケット弾攻撃が絶えない。基地で働くアフガン人を殺傷する非情のテロも続く。「戦場のアメリカ」の姿 を追った。【大治朋子】

 ■ロケット弾の雨

 「ドーン、ドーン」。6月4日早朝、サラーノ前線基地のテントに泊まった記者は全身に響く爆音で跳び起きた。砲撃は10回ほど続き、緊急避難を命 じるサイレンが鳴った。「防空壕(ごう)に避難するぞ」。ベニヤ板で隔てた隣で眠っていたドイツ人男性記者の呼びかけでテント前の壕に飛び込む。約10分 後、避難命令は解除された。武装勢力が基地内にロケット弾を撃ち込み、米軍が砲撃したという。

 サラーノ基地はアフガン第2の米軍前線基地で、米兵3500人を擁する。砂漠の中にあり、パキスタンと国境を接する南東部の要衝だ。戦闘激化に伴 い「武装勢力の爆弾は我々アフガン人を直撃するかもしれない」。基地で情報業務に携わる男性(25)が淡々と言った。妻と1歳半の息子がいる。最近は治安 悪化で通勤が難しくなり、基地に泊まる日々が続く。家族には「基地で働かないで」とせがまれるが、彼には「夢」がある。

 ■戦争のない国へ

 米政府は基地で一定期間以上働いたアフガン人の一部に、特別に米国移住のためのビザを交付している。男性はその対象に選ばれるのを待っているのだ。「幼いころからずっとこの国は戦場だった。戦争のない場所で家族と暮らしたい」。男性はそうつぶやいた。

 基地で働くアフガン人の大半は清掃や建設工事の手伝いをしている。大工経験のあるスピウドさん(26)によると、特別な技能のない労働者の日給は 約6ドル(約500円)。スピウドさんはその約2倍。首都カブールなど大都市では同程度の給与を得ることも可能だが、「ここなら自宅から通えるし、米軍の 食堂や病院を無料で使える」。

 だがその労働者たちも、最近の治安の悪化には懸念を強めている。同基地前では5月中旬、労働者の出勤時間帯を狙った大きな自爆テロがあり、アフガ ン人労働者7人が死亡、21人が負傷した。基地内で工事の監督を務めるモハマドさん(43)は「タリバンは我々を狙い、通勤路を調べて待ち伏せしている。 毎日道を変えなければ危ない」と話す。

 オバマ米政権は今春から2万人余のアフガン増派を順次開始。6月中旬までに、アフガン駐留米軍は約2万9000人になった。ホースト州など南東部 の治安対策強化により、戦闘が激しくなった。一方、武装勢力は警備の手薄なアフガン国軍や基地労働者らへのテロ攻撃を強めている。

2009/06/29
13:14
イラン大統領選:現職再選 英大使館の8人を拘束 「9人拘束4人釈放」情報も

 【テヘラン支局】ロイター通信などによると、イラン政府当局は、大統領選後の混乱に関与したとして、テヘランの英国大使館の現地スタッフ8人を拘束した。革命防衛隊系のファルス通信の28日の報道として伝えた。拘束は9人でうち4人が釈放されたとの情報もある。

 これに対し英国のミリバンド外相は28日、訪問中のギリシャ・コルフ島で報道陣に「全く容認できない嫌がらせ、脅しだ。無事の解放を望む」と述べた。

 一方、AFP通信によると、「開票の不正」を理由に再選挙を求めてきた改革派ムサビ元首相は27日、護憲評議会が投票箱の10%の再集計などのた めに設置を表明した特別委員会について、支持しない意向を示した。ムサビ氏は「10%の再集計に制限するのでは、世論を納得させることはできない。選挙結 果の無効が問題解決の最も適切な手段」とウェブサイト上で表明した。