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2009/07/27 04:43 |
イラン第1副大統領 辞任 強硬派内で主導権争い |
【カイロ=内田康】六月に再選されたイランの保守強硬派アハマディネジャド大統領の二期目の就任式を八月上旬に控え、保守強硬派内での主導権争いが激化している。ファルス通信は二十五日、大統領が任命したモシャイ第一副大統領が辞任したと伝えた。観光などの担当副大統領から今月十六日に昇格したばかりだが、過去の発言を理由に保守強硬派の聖職者らが反発、最高指導者ハメネイ師も大統領に人事の撤回を求めていた。
大統領選は、改革派のデモで混乱しただけに、二期目の政権ではアハマディネジャド氏を支援した強硬派聖職者や革命防衛隊幹部らが影響力をいっそう強めるとみられる。
モシャイ氏の昇格人事発表後から、保守強硬派アハメド・ハタミ師や強硬派の日刊紙ケイハンなどが反発。モシャイ氏が以前、「イスラエル国民はイランの友人」と発言し物議を醸したからだ。
これに対し、アハマディネジャド大統領は「モシャイ氏を信頼している」と述べ、批判に屈しない姿勢を示していたが、ハメネイ師は大統領に「人事はあなたの支持者に分裂を起こす」という書簡を出し、撤回を要求。結局、モシャイ氏は「最高指導者に従う」と辞意を表明した。
しかし、攻撃対象となった発言はイスラエル政府に融和姿勢を示したものではないうえ、発言があったのは昨年で、問題は収束していたはずだった。
モシャイ氏の娘と大統領の息子は夫婦で、両者の関係は近い。過去の発言を蒸し返し、大統領周辺の強硬派が影響力を示そうとしたとの見方が有力だ。あるイラン人評論家も「独断では何もできないことを、大統領に理解させようとした」と分析している。
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