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2009/07/13 14:35 |
トルコ:ウイグルのイスラム教徒支援で苦慮 |
【エルサレム前田英司】中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区における暴動への対応で、トルコが苦慮している。ウイグル族はトルコ系で大多数がイ スラム教徒。かつては全面支援していたが、今回は国際的に台頭する中国との関係悪化を懸念して、出方を図りかねているからだ。トルコ国内では民族主義者ら から「及び腰だ」との不満が噴出しており、政府は難しいかじ取りを迫られている。
「まるで大虐殺だ」。AP通信によると、エルドアン・トルコ首相は10日、暴動事件に厳しい見方を示した。
トルコ国内では、亡命ウイグル人の間にとどまっていた抗議行動が各地でトルコ人にも広がり、同日には首都アンカラなどで中国国旗を燃やす騒ぎも起きた。首相の発言は、こうした国内情勢に突き上げられた形だ。
一方で、対中摩擦を懸念する外務省は声明を発表し、トルコと中国の両国関係の重要性を強調。政府の見解は「両にらみ」を余儀なくされている。
トルコ国内の亡命ウイグル人は約3万人。民族的なつながりを背景に、60年代から難民として受け入れてきた。ウイグル人の在外活動はトルコから欧米に拡大したとされる。
活動の中心組織「世界ウイグル会議」の本部はドイツにあるが、前身はトルコ国内で活動する「東トルキスタン文化・連帯協会」。世界ウイグル会議には、トルコからの移住者が深く関与している。
トルコは自国系民族の多い中央アジアでの影響力拡大を狙う一環で、旧ソ連崩壊後の90年代はウイグル族の活動を強く支援したが、中国の大国化に伴い、政府の対応は慎重になってきている。
これに対し、極右の野党・民族主義者行動党(MHP)などは「事態を静観している場合ではない」と政府の対応を非難している。
インターネット上では、1月末の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)におけるエルドアン首相の対応にも矛先が向けられている。首相が同会議 で、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区攻撃を正当化するペレス・イスラエル大統領に怒りをあらわにしたのを引き合いに、「なぜトルコ系のウイグル族 の問題である今回の事件は静観するのか」などの書き込みが相次いだ。
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