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中東観察

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2009/07/13
14:34
ロシア:キルギスに新基地要求 米に対抗 アフガンにらむ

 【モスクワ大前仁】ロシアが旧ソ連のキルギスに対し、新たなロシア軍駐留基地の提供を要求している。先月、同国マナス空軍基地での米軍駐留の継続 が決まったのに対抗するとともに、混迷するアフガニスタン情勢をにらんだものだ。中央アジアでは、中国もエネルギーなど経済分野で影響力を強めており、ロ シアが影響力の回復に乗り出そうとする動きとして注目される。

 ロシアのセルジュコフ国防相らは7日にキルギスを訪れ、同国首脳部と会談した。両国での報道によると、ロシア軍は現在駐留している首都ビシケク近郊のカント空軍基地の施設を拡充する方針を示したほか、同国南部オシでも新たな駐留基地を提供するよう要求したという。

 オシにある旧ソ連の軍施設の使用を打診している模様で、旧ソ連の親露諸国で構成する「集団安全保障条約機構」(CSTO)の緊急展開軍の駐留を検 討している。アフガニスタンからの麻薬流入やイスラム原理主義勢力に対応するためと見られる。メドベージェフ大統領も10日、「キルギスとは長期の戦略的 な関係を築いている」と強調した。

 キルギスは91年のソ連崩壊後、外国軍は駐留していなかったが、01年秋に米国がアフガニスタンで対テロ戦争を始めると、ビシケク近郊のマナス基地を米軍に貸与。これに対抗し、ロシア軍も同基地の南東約30キロに位置するカント空軍基地に03年に進出した。

 今年2月、キルギス政府は米軍が賃料値上げに応じなかったことを理由に、貸与の打ち切りを通告。並行してロシアがキルギス向けに20億ドル(約1850億円)の経済支援を決めていたことから、ロシアからの「圧力」が指摘されていた。

 しかし、米国が賃料値上げに応じたことなどから、キルギスのバキエフ大統領は6月下旬、一転して米軍の駐留継続を容認。ロシアもアフガニスタンからの脅威が増している状況を憂慮し、これを受け入れたとみられる。

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