【ワ シントン20日AFP=時事】クリントン米国務長官は20日放映されたABCテレビのインタビューで、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンによ る駐留米軍兵士拘束について、言語道断であり、兵士解放のため可能なあらゆる手段を取ると語った。(写真はタリバンがインターネット上に掲載したとされる ビデオ映像に映っていた米兵)
訪問先のニューデリーでインタビューに応じたもので、同長官は「言語道断であり、テロリストグループによる犯罪行為だ。(兵士を)取り戻すため可能なあらゆる手段を取る」と述べた。
タリバンは先に、先月末に拘束した米兵のビデオ映像を公表。この中で米兵は、アフガン駐留米軍の撤退を求めていた。
アフガンの首都カブールにいる米軍関係者は、映っている米兵が先月30日にアフガン東部パクティア州の基地から行方不明になった兵士だと確認するとともに、ビデオ映像はタリバンのプロパガンダだと述べていた。米国防総省は、この米兵は23歳の一等兵だとしている。 〔AFP=時事〕(2009/07/20-22:37)
2024/11/25 10:37 |
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2009/07/22 16:22 |
アフガンで拘束の米兵の身元判明 |
【ワシントン=有元隆志】アフガニスタンで先月末にイスラム原理主義勢力タリバンに拘束された米兵の映像が公開され、米メディアは20日、一斉に伝えた。タリバンがインターネット上に映像を流したのを受けたもので、米軍も行方不明となった兵士であることを認めた。米兵がタリバン側に拘束されたのは2001年の米軍によるアフガン侵攻以来はじめてで、米国内で兵士の安否についての関心が高まっている。
拘束されているのはアイダホ州出身のボウ・バーグダール陸軍上等兵(23)。ビデオの中で同上等兵は「もう故郷に戻れないかと思うと怖い」などと時折涙ぐむなど、おびえた様子がうかがえる。
クリントン国務長官は20日、訪問先のインドでABCテレビのインタビューに対し、「解放に向けてあらゆる手段を尽くす」と語った。同テレビは上等兵が国境を越えてパキスタン側に連れていかれた可能性があると伝えた。この場合、同領内での米軍の活動は認められていないため、捜索活動は一層難しくなることが予想される。
米メディアによると、バーグダール上等兵は先月30日、アフガン東部の米軍基地から武器も持たず離れたところをタリバン側に捕まったとされているが、詳しい状況は明らかにされていない。
一方、AP通信によると、アフガンでの7月の米軍を中心とする多国籍軍の死者数は55人と、開戦後最悪となった。米軍の増派に伴い、米軍兵士も少なくとも30人が死亡した。
2009/07/21 06:23 |
タリバンが拘束の米兵解放へあらゆる手段取る=米国務長官 |
2009/07/21 06:18 |
タリバン、拘束米兵の映像をユーチューブで公開 |
[カブール 19日 ロイター] アフガニスタンでイスラム武装勢力タリバンに拘束されている米軍兵士の映像がインターネット上で公開されたことを受けて、米軍は19日、映像はタリバンのプロパガンダとして使用されており、国際法に違反する行為だと非難した。
映像には、伝統的なアフガニスタンの衣装を身に付けたボウ・バーグドール1等兵がタリバンに促され、アフガニスタンからの米軍撤退を訴える姿が映し出されている。
米軍はアフガニスタンで任務に当たっていたアイダホ出身の同兵士の身元を確認。同兵士の身元を示すタグもビデオに映っていた。
米軍のスポークスマン、グレッグ・ジュリアン大佐は「この映像を流し、捕虜に公に辱めたことを非難する。国際法に違反している。われわれは兵士が無事に戻れるよう出来ることをすべてやるつもりだ」と述べた。
米軍は今週、6月から行方不明になっていたバーグドール兵士を探すチラシを配布していた。
一部が動画共有サイト「ユーチューブ」に投稿された映像で、バーグドール兵士は「とても怖い。家に帰れないのではないかと思うととても恐ろしい。 結婚しようと思っているガールフレンドもいる。祖父母もいる。祖国アメリカには愛しているとても素晴らしい家族がいる」と話した。
ジュリアン大佐は「基本的に彼ら(タリバン)はわれわれの撤退を望んでいるが、そうはならない。われわれはアフガニスタン政府が治安を改善出来る ようにここにいる。アフガニスタンの人々が必要とする限り、ここにいる」と語り、タリバンの要求には応じないとの姿勢を示した。
一方、タリバンのスポークスマンは所在地を明かさずに、ロイターの電話取材に応じて「ビデオで見たように、バーグドール兵士は健康だ。彼をどうするかは今後決める」と話し、別の動画共有サイトのアドレスを告げた。
2009/07/21 06:07 |
パレスチナ:停戦半年 「ガザは監獄」募る脱出への思い 不法ビザにすがる住民 |
イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区攻撃の「停戦」から18日で、半年がたった。イスラエル、エジプト両境界を封鎖されたガザの資材不足 は著しく、復興が一向に進まない。地区内では「外の世界」への脱出を渇望する住民に査証(ビザ)取得を不法仲介する闇業者が暗躍している。疲弊するガザ社 会に閉塞(へいそく)感が募る。【ガザ前田英司】
「ビザの入手に重要なのは、その国を訪れる『正当な理由』をいかに見つけるかだ」
ガザ市のビルの一室で、闇業者の一人が打ち明けた。事務所には看板も何もないが、連日、人づてに聞いた客が集まる。以前は仕事にあぶれた若者が大 半だったが、「停戦」後は年配者が目立つようになった。最近の来客数は月間約200人に上り、攻撃前の約7倍に急増しているという。
境界を閉ざされたガザは時に、「監獄」に例えられる。外国の病院で治療を受けるなど特別な理由がない限り、住民に越境の自由はない。イスラエル軍 の攻撃中、外国籍の保持者が優先的に保護されるのを目の当たりにした。「外国籍は『保険』」(住民)。ビザを取って海外で亡命申請しようという意識が広 まった。
闇業者によると、ビザ入手の手口はこうだ。まずはインターネットで国際会議などの開催予定を調べる。服飾業界のイベントがあれば、架空の服飾メー カーの紹介文を作成し、ビザを求める客を同社の営業担当と偽って参加を希望する。先方が了承して招待状が届けば「準備は9割方、整ったも同然」。必要書類 にその招待状を添えて、開催国のビザを申請する。
「(欧州連合=EU=の加盟国間を自由に移動できる)シェンゲンビザなら3500ドル。アフリカなら旅券(パスポート)さえ2000ドルで手配できる国もある」。闇業者は料金表を見せ豪語した。
◇代金だまし取る闇の業者も暗躍
こうした商売が横行する中、代金をだまし取られるケースも続発している。「ガザは政治的、社会的に崩壊した」と公務員の男性(40)は話す。闇業 者に3000ドルでビザ入手を依頼したが、渡されたのはパソコンで模造した偽物だった。金を取り戻すことは難しい。彼はそれでも「子供の将来が不安。人間 らしい生活をしたいから」と言い、改めて別の業者に接触すると言い切った。
3000ドルで偽ビザをつかまされた無職の男性(34)は、ガザを脱出したいのは「『パレスチナ国籍』をあきらめたからではない」と強調する。和平交渉が停滞して、先行きが見えないことに憤りをあらわにした。
一方、大学で海洋工学を専攻した失業中の男性(21)は、ナイジェリアに住む家族を頼って「正規」に同国のビザを取得した。男性は「すぐにでもガザを出たい。(外国の)市民権を得るまでは絶対に戻らない」と誓っていた。
◇封鎖解けず物資枯渇
ガザはイスラム原理主義組織ハマスによる07年6月の武力制圧以降、イスラエル、エジプト両境界を徹底封鎖されてきた。ガザの復興に封鎖解除が不 可欠だが、「ハマス排除」をもくろむネタニヤフ・イスラエル政権にその用意はない。アッバス議長率いるパレスチナ自治政府もハマスのガザ支配を断つ力に欠 ける。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、先月中にガザに運び込まれた物資はトラック計2583台分。ハマス支配前の約2割に過ぎない。物資 の大半は食料品で、ガソリンやディーゼル燃料の搬入は病院向けなどの例外を除き、半年以上前から中断したまま。復興作業に必須のセメントも枯渇して、市価 は10倍以上に高騰した。ガザ経済は結局、エジプト境界の地下に掘られたトンネル密輸に依存している。
国際社会は3月、約45億ドル(約4500億円)の復興支援を約束したが、ハマスがアッバス議長側と「和解」してガザ情勢を正常化するよう迫り、 まだ実際の拠出はしていない。双方は協議を続けているが、権力争いも絡んで一筋縄でいかない。一方、イスラエルはガザに拘束されている自国兵が解放されな い限り、封鎖の解除には応じない。ガザ復興はそれぞれの思惑に埋没し、後回しの状態だ。「停戦」後、強硬派のネタニヤフ首相が登場し、中東和平交渉は再開 のめどが立っていない。パレスチナ側は、成果の見込めない交渉再開に応じない構えだ。
和平進展に意欲を見せるオバマ米大統領は現在、中東地域の包括和平を念頭に置いた独自案を構想中とされる。パレスチナ政策調査研究センターのハリ ル・シカキ代表は「米国の関与が事態打開のカギになる」と指摘。「オバマ政権が(イスラエル、パレスチナ双方への)『圧力源』になれるかどうかが試され る」と解説した。
2009/07/21 06:00 |
タリバン、6月に拘束の米兵ビデオを公開 |
ビデオは28分の長さで、前週末にインターネット上に投稿された。6月30日にアフガニスタン東部でタリバンに拉致された米軍兵士が、淡い灰色の同国の伝統衣装を着て床に座り、米軍にアフガニスタンからの撤退を求めている。
米国防省は兵士の身元を明らかにしていないが、兵士は画面に映っていない人物に対して話す形で「わたしは基地の外で拘束された。巡回していた警備隊から遅れをとって拘束された」と述べているという。
イスラム強硬派のタリバンを政権から追放した2001年の米軍主導のアフガニスタン侵攻について尋ねられる場面では、「ここに来てから、ここの人びとがいかに暮らし、生活が成り立っているかを実感した。われわれはまさに独立国家を侵略したのだ」と答えている。
また、自分と同じ米国人へのメッセージを促され、外国軍はアフガニスタンを去るように呼び掛けた。さらに、「わたしたちを帰国させてほしい。そうすれば、わたしたちは自分がいるべき場所にいることができ、ここへ来て時間や命を無駄にせずに済む」と訴えている。
テーブルの前に座り、緑茶を飲み、なにかを食べながら兵士は「タリバンは自分を客のようにもてなしてくれている」と述べる。しかし家族のことに話が及ぶ と動揺し、「家族に二度と会えないのではないかと思い、怖い。家に帰れないかもしれないと思うと、とても怖い。拘束されるということは恐ろしいほど不安な ことだ」と気持ちを語っている。(c)AFP/Nasrat Shoaib