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2009/07/09 12:42 |
国際治安支援部隊02 |
日本の協力
主な出典:NATO広報センターファクトシート(2008年10月)
2009年5月現在、政府は2007年1月の安倍晋三元総理の北大西洋理事会(NAC)での演説以降、アフガニスタンでISAFを展開するNATOに対し財政支援(financial support)を行っており、NATO・ISAF側は広報センターを通じてこの事実をファクトシートの形で公表している。日本の対NATO協力の変遷は次のとおり。
- 2007年1月、安部元総理大臣が北大西洋理事会で演説を行う。[23]
- 2007年3月、アフガニスタンでの人道支援プロジェクトのために約20億円の財政支援を実施。
- 2007年12月、NATO文民代表部との連絡促進のため常勤の連絡調整員を指名。[24]
- 2009年5月、NATO加盟国のリトアニア政府の要請を受け、チャグチャラン州で展開するPRT(地方復興チーム)に対する文民派遣を行なうことを決定。外務省職員2名と公募民間人2名の計4名を派遣予定。[25]
NATOのアフガニスタンでの活動に対する日本の財政支援は、政府の草の根(人間の安全保障)無償資金協力(GAGP)スキーム[26]の 範囲内で行われている。2008年10月2日現在、日本政府はGAGPの方針に従い29のプロジェクト支援を実施しておりその総額は約260万ドル (2,647,927米ドル)に及んでいる。NATOによれば、政府はさらに39のプロジェクトへの追加資金協力を検討している。
上級文民代表
2003年11月以降、NATOは、アフガニスタンにおける政治・軍事上の目的遂行の為に、連合の政治部門の代表として上級文民代表(Senior Civilian Representative)を派遣している。 上級文民代表は、欧州連合、アフガニスタン政府、国連アフガニスタン支援ミッション、市民社会組織(Civil Society Organizations)、国際社会及び近隣諸国との連絡調整役を担う。
歴代文民代表
国名 | 氏名(日) | 氏名(英) | 任期 |
---|---|---|---|
トルコ | ヒクメット・チェティン国務相 | Minister of State Hikmet Cetin | 2003年11月19日 - 2006年8月24日 |
オランダ | ダーン・エバーツ大使 | Ambassador Daan Everts | 2006年8月24日 - 2007年1月24日 |
オランダ | モーリッツ・ヨケムズ大使(臨時代行) | Ambassador Maurits R. Jochems | 2008年1月24日 - 2008年4月24日 |
イタリア | フェルナンド・ジェンティリーニ大使 | Ambassador Fernando Gentilini | 2008年7月23日 - |
司令官
国際治安支援部隊(ISAF)は当初、有志国が参加する有志国連合軍であった。2003年8月11日にISAFの全指揮権がNATOに移るまで(ISAF IV ~)、ISAFの指揮は参加国の司令官が持ち回りで執った。現在、ISAFの指揮権は10回目のラウンドを終え、 アメリカ合衆国に移っている。米国がISAFの指揮権を持つのはこれが初めて。[27]
歴代軍司令官
ISAF x | 国名 | 氏名(日) | 氏名(英) | 任期 |
---|---|---|---|---|
ISAF I[28] | イギリス | ジョン・マコール少将 | Maj.Gen. John McColl | 2001年1月10日 - 2002年6月20日 |
ISAF II[29] | トルコ | ヒルミ・アクン・ゾルル大将 | Gen. Hilmi Akin Zorlu | 2002年6月20日 - 2003年2月10日 |
ISAF III[30] | オランダ | ノルベルト・ファン・ハイスト中将 | Lt.Gen. Norbert Van Heyst | 2003年2月10日 - 2003年8月11日 |
ISAF IV[31] | ドイツ | ゲッツ・グリーメロート中将 | Lt.Gen. Gotz Gliemeroth | 2003年8月11日 - 2004年2月9日 |
ISAF V[32] | カナダ | リック・ヒリアー中将 | Lt.Gen. Rick Hillier | 2004年2月9日 - 2004年8月9日 |
ISAF VI[33] | フランス | ジャン=ルイ・ピ中将 | Lt.Gen Jean-Louis Py | 2004年8月9日 - 2005年2月13日 |
ISAF VII[34] | トルコ | エテム・エルダー中将 | Lt.Gen. Ethem Erdagi | 2005年2月13日 - 2005年8月4日 |
ISAF VIII[35] | イタリア | マウロ・デル・ヴェッキオ中将 | Lt.Gen. Mauro del Vecchio | 2005年8月4日 - 2006年5月4日 |
ISAF IX[36] | イギリス | デイビッド・リチャーズ大将 | Gen. Sir David Richards | 2006年5月4日 - 2007年2月4日 |
ISAF X[37] | アメリカ合衆国 | ダン・マクニール中将 | Lt. Gen. Dan K. McNeill | 2007年2月4日 - 2008年6月2日 |
ISAF XI[38] | アメリカ合衆国 | デイビッド・マキャナン大将[39] | Gen David D. McKiernan | 2008年6月2日 - |
脚注・参考
参考文献
- ISAF公式サイトの各説明ページ(英語)
- 第168回臨時国会外交防衛部門会議・外務省「ISAF:国際治安支援部隊」(平成19年10月改訂)2007年10月25日
脚注
- ^ Agreement on Provisional Arrangements in Afghanistan Pending the Re-establishment of Permanent Government Institutions(英語)
- ^ 国連安保理決議1386号 - ISAFの設置を承認
- ^ 国連安保理決議1386号 - 原文:"Acting for these reasons under Chapter VII of the Charter of the United Nations, "。
- ^ Military Techinical Agreement(英語) - アフガニスタン政府が調印した軍事技術協定
- ^ 国連安保理決議1776号 - 原文:"Requests the leadership of ISAF to keep the Security Council regularly informed, through the Secretary-General, on the implementation of its mandate, including through the provision of quarterly reports;"
- ^ 国連安保理決議1707号 - 原文:Requests the leadership of ISAF to provide quarterly reports on implementation of its mandate to the Security Council through the Secretary-General;"
- ^ ISAF公式サイト『Mandate』の説明 - 原文:"It is a coaliton of the willing deployed under the authority of the UN Security Council."
- ^ ボン合意付帯文書I(英語)
- ^ ISAF公式リーフレット『The Structure of ISAF』
- ^ 国連安保理決議1413号(英語) - ISAFの半年間の任務延長を承認
- ^ 国連安保理決議1510号(英語) - ISAFの任務拡大を承認
- ^ ドイツ外務省公式サイト『Expansion of the ISAF area beyond Kabul』の説明
- ^ UN New Centre, "SECURITY COUNCIL EXTENDS INTERNATIONAL SECURITY ASSISTANCE FORCE IN AFGHANISTAN FOR ONE YEAR, SEEKS REINFORCEMENTS TO BOOST SECURITY" - 原文:"Decides to extend the authorization of the International Security Assistance Force, as defined in resolution 1386 (2001) and 1510 (2003), for a period of twelve months beyond 13 October 2008;"
- ^ ISAF公式サイト『What does it mean in practice?』の説明
- ^ Afghan National Security Forcesの略。国家軍と警察を含むアフガン治安維持部門の総称。
- ^ Afghan National Policeの略。ANSF(国家治安部門)の一翼を担う。
- ^ Disbandment of Illegal Armed Groupsの略。アフガニスタン国家開発戦略(ANDS: Afghanistan National Development Strategy)に基づいたアフガニスタン政府主導で行われる武装解除政策。通常、合法武装集団の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR: Disarmament, Demobilization, Reintegration)では武装解除及び動員解除後に社会復帰の為の施策が用意されているが、DIAGの場合はこの措置が行われないのが特徴。
- ^ MILITARY TECHNICAL AGREEMENT Between the International Security Assistance Force (ISAF) and the Interim Administration of Afghanistan (‘Interim Administration’), "STATUS OF THE INTERNATIONAL SECURITY ASSISTANCE FORCE," SECTION 1: JURISDICTION, secs. 1-4; A-1 - A-2.
- ^ ISAF公式リーフレット(2006年度)
- ^ International Security Assistance Force(2008年10月8日) - ISAF公式サイト
- ^ William M. Arkin, "CODE NAMES: Deciphering U.S. Military Plans, Programs, and Operations in the 9/11 World," Hanover: Steerforth Press (2005), p.67
- ^ 注:フランスは従来はNATOの政治機構にのみ参加しており軍事機構からは1946年に公式に脱退している。1993年より段階的に軍事部門へ復帰しているが完全には復帰していない。2008年6月、サルコジ|大統領はブカレストでのNATO首脳会議でNATO創立60周年を記念する2009年4月に合わせて完全復帰を目指すことを公約したが、同時に、核戦力については独自戦力を維持し、且つ仏領土内へのNATO駐留軍の駐留も引き続き認めない方針を明らかにした。(参考:Wikipedia英語版のNATOのエントリ)
- ^ 「北大西洋理事会(NAC)における安倍総理演説「日本とNATO:更なる協力に向けて」(仮訳)(2007年1月12日) - 外務省
- ^ NATO文民代表部に対する連絡調整員について(2007年12月23日) - 外務省
- ^ 「アフガニスタンPRT文民支援チーム」の派遣について(2009年1月9日)、[http://www.mofa.go.jp/Mofaj/press/release/21/4/1190655_1096.html アフガニスタンのチャグチャランPRTへの文民支援チームの派遣 (2009年4月17日)] - 外務省
- ^ 草の根・人間の安全保障無償資金協力 - 外務省
- ^ ISAF公式サイトの「Chronology」
- ^ ISAF I情報サイト(英語) - Operation Fingal
- ^ ISAF II公式サイト(英語)
- ^ ISAF III公式サイト(蘭) - 独蘭カナダ連合部隊
- ^ ISAF IV情報サイト(独)
- ^ ISAF V情報サイト(英) - Operation ATHENA
- ^ ISAF VI公式サイト(英) - EUROCORPS
- ^ ISAF VII公式サイト(英) - NRDC-T
- ^ ISAF VIII公式サイト(伊) - NRDC-IT
- ^ ISAF IX公式サイト(英) - ARRC
- ^ ISAF公式サイトの「ISAF Headquarters」(英)
- ^ ISAF公式サイトの「Chronology」(英)
- ^ 報道に よるとマキャナン司令官は2008年10月2日、ISAFとアフガン駐留米軍(OEF)の司令官を兼務することを米上院により承認されている。これは米軍 とISAFが一体運用されることを示し、ISAFが現場レベルでは対テロ掃討作戦をその本来任務としてOEFから継承することを意味する。
関連項目
外部リンク
- 公式サイト(英語)
- ブロンソン連合統合軍司令部(英語) - NATO
- DIAGに関するプレスリリース - 外務省
- 国際連合憲章(日本語) - 国際連合広報センター
- 国際連合憲章(英語) - 国際連合
- 【図解】アフガニスタンに展開中の国際治安支援部隊(2008年12月22日時点)- AFP BB News
- 国際治安支援部隊(アフガニスタン) - DSI日米国防組織情報
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